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トピックス・インタビュー14

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INTERVIEW
「ダンバリ! vol.3」熊谷和徳さん
公演詳細はこちら トピックス一覧へ

自らの身体ひとつで、力強く多彩なリズム&メロディを舞台上に紡ぎ出すタップダンサー・熊谷和徳さん。“魔法の足”を持つ熊谷さんが、2年ぶりに「ダンバリ」に帰って来ます!
ワークショップを通した一般の方々との作品創作という、新たなプロジェクトを展開中の熊谷さんに、その意義と「ダンバリ」への展望を伺いました。

2010.6.15 INTERVIEW

――今夏、あうるすぽっとでは二度目のワークショップ(以下WS)とステージになりますが、一昨年の経験で印象に残っていることはありますか。

2008年夏の「ダンバリ」では、WSを一日と、タップとトークを組み合わせたステージを二日、やらせて頂きました。昨日ちょうど、そのステージを観てくれた友人と話していて思い出したのがトークでの出来事。トークでは、僕の大好きなタップ映画の映像を見ながら話していたんですが、二日目は喋りながら感極まって涙が出てしまったんですよ(笑)。自分の感情が抑え切れなくなった、その感覚がとても印象的でした。トークの後の質疑応答でも、答えにくいところをツッコまれたりとか(笑)。その時々の自分の状態でお客様の反応が変わるのは、ダンスもショウも同じですよね。

――この夏の「ダンバリ」では、約一週間のWSを経て、未経験者を含む参加者と作品を創り上げ、舞台で披露すると伺っています。熊谷さんは色々な場所や形式でWSを行っていますが、WSをどのように捉えているのでしょうか。

前まではWSに限らず、「教えること」への苦手意識があったんです。感覚的な人間なので人に教えるのが難しくて。技術は教えられるけれど「その先にあること」を伝えるにはどうしたらいいのか考えつつ、自分はパフォーマンスがメインで指導は重要視しなくていいのでは、という時期もありました。けれど、タップダンサーの活動を続ける中では、指導=教えることはとても自然だと次第に思えて来たんです。実際、僕の尊敬する先輩タップダンサーたちも、教えていない人はいなかった。指導や育成は自然で重要なことだと、腑に落ちたんです。
 そこで自分のスタジオを持って指導を始め、劇場などでもWSを行ううち「教えること」は自分の一部になった。「パフォーマンス」と「教えること」はイコール、それら全部を含めて自分のアートや作品なのだと最近は思っています。

――そういった考え方の変化は、作品にも影響を与えているのでしょうか?

徐々にですが変化はあると思います。WSの内容に関しても、最初は「踊らせてあげなければいけない」という気持ちが強くありました。でも最近は、そんな自分の中の先入観や凝り固まった常識の縛りを、WSの参加者との創作が解きほぐしてくれるんです。

――具体的には、どのようなWSになるのでしょうか。

最近僕は、タップ未経験の方々とステージを創るプロジェクトに取り組んでいて、今夏の「ダンバリ!」のWSもその一環、東京では初めての取り組みになります。
最初は僕にとっても大変なチャレンジで不安もありました。一週間ほどでタップ未経験者と作品を創るなんて、本当にできるのか、と。でも、これがとても面白かった。参加者は子供からお爺ちゃん、お婆ちゃん世代の方々まで。身体も経験値もまったく違う、バラバラの足が、それぞれの踏み方で踏む音なのに、とても大きな情熱が感じられて。音からは参加者の生き方や背景までが見えて来て、ちょっと上手いくらいのタップダンサーの舞台を観るより遥かに感じるものが多くありました。最初の不安が嘘のように全く足を引っ張られることなく、全員で良い作品が創れたんです。これは今後のライフワークにしていきたい。心からそう思えました。

――技術や体力の制約を越えて、子供や高齢者の身体や感性がタップダンスにちゃんと反映されたんですね。

ええ、素晴らしい体験でした。未経験者との作品創作というWSをすることで、僕は技術以上に大切なものの存在を実感できた。 タップは元々路上、ルールの無い場所から生まれたもの。舞台に縛られる必要もないし、完成度や「何が良くて悪いか」という指針すら、ひとつの物差しに無理にあれはめる必要はないと思う。そんな、タップの原点に引き戻される感じがやっていて気持ち良いし、新しい価値観へと突き抜けられる可能性があると感じられたんです。
子供たちも高齢の方たちも、ひとつの舞台で見ると同じように見えます。そこには余り違いがないんです。いわゆる発表会などでは、「子供のための振付」とか「高齢者のための振付」みたいな創り方も多いと思いますが、僕自身そういう舞台を観るのがとてもツラいし(笑)、元々自分の中にそういう考え方もなかった。「子供も大人も関係なく、皆で楽しもうゼ!」というのがめざすところ。きっと子供たちも大人が本気で楽しんでいるところに加わりたいだろうし、高齢の方たちも「シニア」という世間が勝手に作った枠に括られることを、実はそんなに喜んではいない。むしろ「若い人たちと一緒に踊るのは楽しい」と考えていらっしゃるんじゃないでしょうか。僕のWSは、年齢や身体、経験で線を引かない、全員が同じように立ち・踊れる場所なんです。

――WSは、具体的にどのような構成になっているのでしょう?

普通のストレッチや、基礎的なステップを踏むことから始まります。後は参加者を見ながら、「今回はこうしよう」とその場で流れを決めていくんです。参加者の顔や雰囲気を見ないと、そのメンバーに合ったものは創れないし、一緒に創っていくそのプロセスが作品以上に重要な気がしていて。なので皆で輪になって「なぜ参加したの?」と理由を聞き、話し合う時間も持ちます。参加者それぞれの話を聞くと、またそれが面白い。そんな対話の時間も、WSであり、リハーサルの一部なんです。
舞台経験のない方は、「自分から発信すること」に慣れていません。日常は、常に受信する側ですから。発信するための第一歩は、人前で喋ることから。喋ることはタップを踏むことと似ています。 どういう気持ちでステップを踏むのか、ちょっとしたことがすごく「発信」に影響する。参加者によく言うのは、「自分だけの想いを持って踏んで欲しい」ということ。僕が振付した、その通りに踏むよりも、その人それぞれの想いをタップに込めて欲しいんです。たとえば家族が病気なら、「病気が良くなるように」とか、何でもいい。ひとつ想いがあると、ステップは同じでも観客に違う「音」が伝わると僕は思っています。




――踊り手の想いがタップの音を変える、というのはとても興味深いことです。

タップダンスには言葉がないから、具体的に踊り手の想いは伝わらないけれど、何か別の形では伝わる。タップの音とリズムは、観客それぞれの想いと共鳴しながら伝わるんです。そこがタップの良さだと僕は思います。無言のメッセージと言うか、人それぞれの気持ちに柔軟に、自由に伝わる。それがタップダンスならではの伝え方。タップの音は、言葉に近いものかも知れません。言葉も、喋りながら瞬間に思いつくものですよね? タップの音も、踊りながら瞬間に、ダンサーの想いを吸い込み、観客へと伝えていく。言葉と似ていますよね。

――それらWSで得た発見や経験が、創作にも影響を与えているのですか?

WSのことだけでなく、色々な経験が創作には少しずつ影響を与えていると思います。一昨年の「ダンバリ」の後に僕は結婚し、子供も生まれました。一昨年と今とでは、僕自身の環境が随分違う。それにともなって、創作の環境や内容、観て下さる観客の方々もどんどん変わって来ているように感じています。言葉では上手く言えないのですが、色々なことが、自分の進むべき方向にどんどんシェイプされ、無駄がそぎ落とされていく、やるべきことにフォーカスが絞り込まれていく感覚はあります。特にここ2、3年は変化が大きいな、と思っているんです。同時に自分の人生に必要なことも見えて来つつある。
僕はタップダンスが好きだから踊っている。自分とタップの関係がよりシンプルに、本質に近いものになってきたんじゃないでしょうか。

――好きなこと、楽しいことを実感する機会は日常には少ないはず。熊谷さんのWSは、タップを通してそれを感じさせてくれるんですね。

そうなればいいな、と思います。「舞台に上がる」という経験自体が非日常というか、すごく重要な経験だとWS参加者の変化や成長を目の当たりにするたび思います。僕らは参加者をいかに良い形で舞台に乗せ、タップを楽しく踏んでもらうかに心を砕きますし、その場を単なるエンターテインメントとして終わらせようとは思っていません。逆にハードルを低くして「ま、楽しくやろうよ」ということでもない。プロのダンサーと一緒に舞台に上がるなら、それなりの覚悟は持って欲しいんです。 それをすべてを経たときの、参加者の方々の表情は本当に素敵です。その瞬間、彼らは「舞台に上がる本当の意味」とを発見したのだと思う。そこからお客様が感じることも、プロの舞台を観る以上にあるんじゃないかと思います。

――真剣さと楽しさ、集中と快感。参加者の内面が変わるようなWSになりそうですね。

そうなれたら、とても嬉しいですね。

PROFILE プロフィール 熊谷和徳
生年月日:1977年3月30日
出身地:宮城県
タップダンサー
INFORMATION

プロデュース公演
熊谷和徳 ダンスライブ
Tap Dance Art Project
『TAP the FUTURE 』 in toshima

8月8日(日)

世界で活躍するトップダンサー、熊谷和徳と仲間たちがくりひろげる、真夏の熱いライブ。 心に真っすぐに響く、タップの音とリズムで盛り上がろう!

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